このページでは「自分がオートマ限定で運転免許を取得するのが問題ないか」を判断する基準が明確になる。
自分の免許取得の際の参考にして欲しい。
- 運転免許はオートマ限定で取ろうと検討している
- マニュアル免許を取っておいた方がいいとアドバイスされて迷っている
- オートマ限定解除も選択肢にあるが、コスパが悪いと言われて悩む
こんな悩みが、高校生終盤や大学生になったとき多くの人に訪れる。
俺はマニュアル免許で取得して以降ずっと、15年間マニュアル車に乗り続けているが、それでも今自分が大学生ならオートマ限定でとる。
オートマ限定で困ることはほとんどない
年上の人間からこんなアドバイスを受けている人を耳にする。
いざというときに運転できないと困るぞ。
対して金額も変わらないんだからマニュアルで取っときなさい。
ハッキリ言って「もしものとき」はほとんど訪れない。少なくとも15年間そうだった。
自分は20歳のときにマニュアルで免許を取って、それから15年間で延べ4台マイカーを全てマニュアル車で乗り継いできている。
生活のためには車が必要な地域にしか住んだことがないが、マニュアル免許が必要な瞬間は一切訪れなかったんだ。
オートマ限定はメリットの方が多い
はっきり言ってオートマ限定で免許を取る方がメリットは多い。どれぐらいのものなのか解説する。
1.免許取得時の料金が安い
一般的にはオートマ限定の方が免許取得にかかる料金は安い。
全国平均で見ると16,760円安く取得できる。
全国平均取得金額 | |
オートマ限定 | 287,142 |
マニュアル | 303,902 |
差額 | 16,760 |
地域によって金額に差はあるが、どこもオートマ限定の方がトータルの費用は安い。
でも後々オートマ限定解除する料金と比べたら安いんだから
最初にマニュアルでとった方がコスパいいぞ?
このツッコミ自体は正論で、後からマニュアル車の運転を可能にするための「限定解除」の諸費用は50,000円前後が多い。確かに16,760円よりは安く済む。
だがそもそも「限定解除」が必要ない人にとっては一生必要のない出費である。
若いときの16,760円は決して安くない。
2.免許取得までの日数が短い
教習所で受講しないといけない単位(時限、コマとも言われる)も、オートマ限定の方が少ないため、結果的に短い日数で免許取得が出来る。
教習所内で走る講習を【第一段階】、路上を走る講習を【第二段階】という。
この第一段階で3単位分時間が節約できる。
たった3単位?と思われるかもしれないが、教習所に通うための3単位分は結構手間暇がかかるんだ。
自動車学校で予約をとって(今どき電話のところもある苦笑)
予定日に教習所へ通い、講習を受けて帰宅する、のパターンだ。
これを自分の予定と都合をつけながらこなさないといけない。
ハッキリ言ってこの手間暇をバイトや自己研鑽などの時間に充てた方がよっぽどコスパがいいと思う。
3.現代は半数以上の人がオートマ限定で取得する
平成26年度とちと古いデータだが、警視庁の公表している【新規免許取得者の割合】によると、全国の新たに運転免許を取得した人のうち、約55%がオートマ限定で取得していることがわかっている。
コスパがいい、との認識が広まっている証拠だな。
そしてよくメディアに取り上げられる【国産者の新車販売台数に占めるオートマ者/マニュアル車の比率】では、2019年の資料で98.6%の割合でオートマ車が売れていることがわかっている。
時流としてハッキリ出ている。
4.会社の車もほぼオートマ
自分は3社転職をしてきたが、マニュアル車の運転が必要なケースは1度もなかった。
会社の車が自社所有かリース契約かで若干話は変わるとは思うが、ここはリース契約を例にとって説明する。
リース車輛の場合、会社は各自動車メーカーが販売しているラインナップから車種を選択することになる。
よっぽど必要な職種でもない限りオートマ車が選ばれることが一般的。
なぜなら各自動車メーカーが売れているのは98.6%がオートマ車だからだ。さらに従業員も普段マニュアル車に乗らない人間だし、なんならオートマ限定免許取得者が過半数を占める現状で、会社の車をわざわざマニュアル車にする必要がない。
職種上マニュアル車の運転が必要なの職種はある。将来の希望職業の選択肢にこの職業がないんだったらオートマ限定でいいということ。
マニュアル免許を取るべき職種・人
現状しばらくはマニュアル車での運転が求められる職業があるので、ゆくゆくのプランに沿って検討が必要。
1.大型トラックドライバー
大型トラックは今でもマニュアル車が主流。
超重量物を運んでいるので、積み荷が崩れないようにエンジンブレーキを繊細に使いこなす必要がある。エンジンブレーキのコントロール性はマニュアル車の方が優秀だからだ。
また車両1台あたりの累計走行距離数も非常に多く、トランスミッションの修理も当然のように発生するが、その修理費用もマニュアル車の方が安い(トランスミッションの構造がシンプルゆえ)。
2.バス運転手
生活の脚であるバス車両もマニュアル車が主流。
積み荷ほどは重くなくとも人間を満載して走行するため、それなりにスピードのコントロールが大事。
乗客の安全・快適性のために、加速も減速も繊細なコントロールが求められる。
自分は中国とアメリカでしか体験がないが、海外のバス運転手の運転は加速・減速ともにめちゃくちゃラフだった。急発進急ブレーキなんて頻繁に起こる。運転手が他の車にブチギレるなんて当たり前。
日本のバス運転手がいかに乗客に快適に過ごしてもらうために気を配って運転している、というのがよくわかった。
3.農家
農家と一括りで書いたが、農業というよりは仕事上動き回る範囲に山間部が含まれるかがポイントだ。
例えば平野部で何かを育てて出荷して、というスタイルの農家ならばオートマの車(主に軽トラ)でも全く問題はない。実際オートマの軽トラで専業農家をしている友人が何人もいる。
これが山間の田んぼや畑を行き来するスタイルの農家になると、オートマの車両では話にならない。
高低差も激しいから低速~中速ギアの変速は頻繁に行うし、ぬかるんだところを走ることもあるから、一部の軽トラには1速のさらに下にLOWギアが設定されている場合もある。
写真はホンダのアクティという軽トラのシフトノブだが、「1」の左にある「UL」が”ウルトラロー”というぬかるみなどから脱出の際に使われるギアだ。
自分もスバルのサンバーに乗って山間部を駆け巡っていたときは、同様のギアを使ってぬかるみ対策をしていた。
4.スポーツ走行に興味がある
免許を取る前からスポーツカーやスポーツ走行向きの車に乗る遺志があるなら、マニュアルで免許を取ることを推奨する。
マツダのロードスターや、トヨタ/スバルの86/BRZなんかは新車販売のうち60%以上がマニュアル車で購入されている。
それらの中古を狙う際も、当然タマ数の多い方が選択肢が増えて選びやすくなる。
峠走ったり、運転の楽しさを味わいたいんだ
俺お金を貯めてシビックタイプRに乗るんだ!
※マニュアルしか設定がない
また、スズキのジムニーのようにオフロード走行を楽しむ人もマニュアル車がおすすめだ。
ジムニーで雪山アタックとかめちゃくちゃ楽しい。
まとめ
令和を生きる若者のほとんどはオートマ限定で免許を取ってしまって構わない。
若いうちの大事な16,760円を別のことに使った方がいい。
若いうちの大事な3日間を別のことに費やした方がいい。
これから時代が移り変わっても、一生マニュアル車に乗らないで過ごす人が多くなるだろう。
超絶進化中の電気自動車はそもそもオートマとかマニュアルとかトランスミッション自体が必要ないから、『どっちで免許を取るか』なんて議論自体そのうち無くなると思う。
いずれにせよ事故のない楽しいカーライフを送ってほしい。
ちなみに筆者は大学2年生の夏休みに合宿でマニュアル免許をとった。トータルの費用はさらに安くなるので、これから免許取得を考える大学生なら免許合宿はコスパ面では非常におすすめ。観光で行ってみたい地域で合宿免許をやっているか検索してみるといい。
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